Q:Finale version 27ではSMuFL記号が搭載されましたが、記譜用フォントを非SMuFLフォントであるKousakuに設定したファイルでもSMuFL記号は使用可能ですか?
A:可能です。通常、SMuFL記号はSMuFL対応の記譜用フォントに設定したファイル上で使用しますが、Finaleの場合は同じファイル上でSMuFL記号と非SMuFL記号を併用できるため、該当する記号で記譜用フォントを個別にSMuFLフォントに変更することで、Finale日本語版オリジナルの記譜用フォントであるKousakuを用いたファイル上でも、SMuFL記号が使用可能となります。(※SMuFL記号の詳細についてはこちらの記事をご参照ください。)
例えば符頭をSMuFL記号の「×」に変更したい場合は、以下の手順となります。
(1)道具箱ツール内「符頭変更ツール」を選択します。
(2)符頭を変更したい音符が含まれた小節をクリックすると、音符の隣にボックスが表示されます。該当の音符のボックスを右クリックし、プルダウンから「編集」を選択します。
(3)〔符頭の設定〕ダイアログボックス上で、「デフォルトの符頭フォントを使用」のチェックボックスを外し、「フォント設定」ボタンをクリックして〔フォント〕ダイアログボックスを開き、フォントをSMuFLフォント(Finale Maestro)などに変更し、「OK」ボタンで〔フォント〕ダイアログボックスを閉じます。
(4)〔符頭の設定〕ダイアログボックス上で、「デフォルトのキャラクタを使用」のチェックボックスを外し、「選択」ボタンをクリックします。
(5)SMuFL仕様の〔キャラクタの選択〕ダイアログボックスが現れますので、左側のカテゴリ欄で「符頭:」で始まるカテゴリを選択するか、右上の検索ボックスに符頭を意味する「notehead」と入力し、必要な符頭の記号を探し、「選択」ボタンを押します。(検索ボックスは各記号の説明欄の語句を参照します。現時点では日本語に対応していません。)
(6)〔符頭の設定〕ダイアログボックスに戻ったら「OK」ボタンを押してください。これで符頭が変更されます。
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SMuFL記号を用いた発想記号を作成する場合も、発想記号に用いる記譜用フォントの変更という手順を間に挟むという基本的な考え方は同じです。例えば演奏指示カテゴリ内で作成する場合、以下のステップになります。
(1)〔発想記号の選択〕で「演奏指示の作成」ボタンをクリック。
(2)〔文字発想記号の設計〕で「演奏指示カテゴリで定義されたフォントを使用」チェックを外す。
(3)〔フォント〕プルダウンからSMuFL記号(Finale Maestroなど)を選択。
(4)〔文字〕メニューから「キャラクタ挿入」を実行。
しかし、発想記号の場合はもう少し楽な方法があります。version 27専用に提供するテンプレート集には、予めいくつかのSMuFL記号が読み込まれており、これらのファイル上では既存のSMuFL記号をコピーしてそれを編集するという形で、より早くSMuFLフォントの〔キャラクタの選択〕にアクセスして好きな記号を選択できます。
(1)〔発想記号の選択〕で適当なSMuFL記号を選んでコピーし、その「編集」をクリック。
(2)〔文字発想記号の設計〕で記号をハイライトして、〔文字〕メニューからキャラクタ挿入を実行。なお、これは以下のショートカットを用いるのが速くて楽です。
【Mac】Shift+option+command+S
【Win】Ctrl+Alt+Shift+S
(3)SMuFL仕様の〔キャラクタの選択〕ダイアログボックスが表示されるので、この中から求める記号を探す。
【付記】なお、SMuFL記号は現時点(version 27.0)ではプレイバックに反映されないものもあることにご注意ください。(アーティキュレーション・ツールのトレモロ記号など)
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もし上記で解決できない問題がありましたら、以下の専門窓口にお問い合わせください。
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